解説
このお話しは、少年柔道のミニコミ誌【月刊☆しょうじゅう!】の平成20年(2008)8月号(創刊号)~平成21年(2009)10月号の全15回で連載された全国制覇への熱き思いをタイトルを変え再編集したものです。
全日本男子監督の鈴木桂治氏が幼少期にイチから柔道を教わった小林信雄師範。
鈴木正博師範が熱筆を揮いました。
小林信雄の情熱 第1話 田舎町・石下
作家紹介
鈴木 正博 (すずき まさひろ)
1967年茨城県出身。
幼少の頃より小林信雄師範に柔道の指導を受ける。
県立下妻一高時代にはインターハイに出場。
筑波大学柔道部卒業後は、家業を継ぎ、後進の育成にあたっている。
現在は、常総市体育協会石下柔道部副会長を務める。 六段。
はじめに
まずはタイトルに出てくる「小林信雄先生」について、簡単に紹介させていただきたい。
小林先生は、私の所属する「茨城県常総市体育協会石下柔柔道部」の初代監督であり、昭和50年に石下町体育協会柔道部(平成18年に「常総市」となる)を設立した。
平成13年(2001)に他界されるまでの26年間、数々の栄光を手にしてきた。
【石下柔道部 栄光の歴史】
〇全国少年柔道大会
・昭和62年(1987) 第三位
・昭和63年(1988) 第三位
・平成 4年(1992) 準優勝
・平成 5年(1993) 準優勝
・平成 6年(1994) 優 勝
・平成 7年(1995) 準優勝
〇全日本選抜少年柔道大会
・平成 3年(1991) 第三位
・平成 4年(1992) 第三位
・平成 6年(1994) 第三位
・平成 7年(1995) 優 勝
〇全国少年武道練成大会
・昭和59年(1984) ブロック優勝
・昭和62年(1987) ブロック優勝
・平成 4年(1992) ブロック優勝
・平成 7年(1995) ブロック優勝
・平成 8年(1996) ブロック優勝
これまでに輩出した全日本強化選手は10名を超え、全国中学校大会・インターハイを含めた各種大会(国際・国内)の優勝者・入賞者も多数出ている。
さらに、鈴木桂治(全日本男子代表チーム監督)、小野卓志(平成帝京大学男子監督)の活躍は説明不要であろう。
これらの選手を輩出し、数々の栄光を手にすることができた要因は何だったのか?
今回は、私自身が幼少期より小林信雄先生に指導していただいた体験談や、コーチとして手伝いながら体験した少年柔道の指導現場のエピソードなどを交えながら「亡き恩師・小林信雄の強さの秘密」に迫ってみたい。